あんこの魅力はおいしさだけに留まらず、
原料である小豆には健康や美容にうれしい栄養素がたっぷり詰まっています。
ワインよりも豊富なポリフェノールや、
美肌作りに活躍するビタミンなど、
豊富な成分に、ぜひご注目ください。
あんこ屋の知恵
糖質(炭水化物)
小豆のデンプンに含まれている主要栄養素。主にエネルギーになるもので、特に難消化性デンプンは、コレステロールの抑制に効果があり、血液のサラサラ化にも働きかけます。
タンパク質
エネルギー源になるタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されていますが、小豆は特に人間の体では合成されないために食べ物から取る必要がある必須アミノ酸を豊富に含んでいます。
ミネラル
あんこは、様々な種類のミネラルを含んでおり、貧血に効果が見られる鉄分や骨や歯を作るカルシウム、300種類以上の酵素の働きを助けるマグネシウムが豊富。特に鉄分が多く、一般的な大福を一つ食べるだけで、ほうれん草のお浸しを100gよりも多く鉄分を摂取することができます。
カリウム
高血圧対策に効果が期待されるカリウムが、ゆで小豆はバナナの約1.2倍も含まれています。過剰なナトリウム(塩分)の排泄を促してくれるので、体のむくみ改善にも繋がります。
食物繊維
便秘の解消や発がん性物質の解消に効果があるといわれている成分で、小豆の食物繊維の含有量はゴボウのなんと約3倍!皮に特に含まれているので、こしあんよりもつぶあんの方がより多く摂取することができます。
ポリフェノール
老化や生活習慣病の原因の一つとなる活性酸素の撃退に働きかけます。含有量はワインが100g中約300mgのところ、小豆は400~600mg!一般的に煮る過程で煮汁に溶け出してしまいますが、小豆は他の野菜と比べて多くのポリフェノールが残るところも特徴です。
アントシアニン
小豆の種皮、つまり小豆の赤い色に含まれているポリフェノールの一種で、血液をサラサラにする働きがあります。主に種皮に含まれているので、アントシアニンの摂取を意識する場合は、つぶあんでのお召し上がりがお勧めです。
ビタミンB1
エネルギー代謝促進や疲労回復に役立ち、不足すると食欲が落ちたり疲れやすくなるといわれている栄養素。水溶性で体内に蓄積しておくことができないので、コンスタントに摂取しましょう。
ビタミンB2
脂質の代謝に関わる補酵素になり、皮膚や爪、髪の毛の成長を促す効果もあるといわれています。小豆は、おいしく味わいながら、健康にも美容にも優しく働きかけてくれる食品なのです。
ビタミンB6
美肌を作るといわれるコラーゲンの原料・アミノ酸の再合成を手助けし、神経の働きやホルモン調整にも役立ちます。
おいしい小豆の煮方
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1
小豆は煮る前に浸水させない
乾燥した小豆の皮はかなり固いですが、煮ると柔らかくなるので浸水は不要です。むしろ煮る前に水に浸けると、皮ではなく小豆の腹にあるへそ(胚座)から吸水し、皮が破れて浸け水へデンプンなどの栄養成分が流出。風味は落ち、腐りやすくなってしまいます。
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2
煮るときはじっくり弱火でコトコト
小豆を煮る火加減は、極々弱火がベスト。グラグラと沸騰した状態で長時間煮てしまうと、小豆の腹が割れて中のデンプンをはじめ栄養成分が流れ出してしまい、せっかくの風味が損なわれることに。
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3
「びっくり水」でゆっくり吸水
水から小豆を煮始めて沸騰したら、間もなく豆の約1/2の量の冷水(通称:びっくり水)を加えましょう。一気に50度以下まで温度を下げることで表面の加熱が一時的に抑えられ、ゆっくりと小豆の中に吸水されるため、皮の固い小豆もムラなく炊くことができます。
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4
渋みを取り除く「渋切り」をお好みで
小豆を煮ているとき、沸騰後に一旦煮汁を捨てる「渋切り」を行うことにより、渋み成分のタンニンを洗い流すことができます。沸騰後の時間経過と煮汁に溶け出すタンニンの量は比例するので、お好みで調節しながら「渋切り」を行ってください。
おいしい小倉あんを作るコツ
ふっくら仕上げのコツは砂糖の加え方
ゆで小豆に砂糖を加えて煮るときは、砂糖を2回に分けて入れることで、
小豆の内側まで糖分を浸透させることができます。ふっくらと仕上がる
だけでなく、防腐効果も期待できるので、作る際はぜひお試しください。
あんこの楽しみ方
- お餅や
団子に - トーストや
パンに - アイスや
ぜんざいに
お汁粉のつくり方
お店で食べるような
お汁粉に。
- あんこ … 300g
- お湯 … 200~300㎖
- 白玉( お好みで)
鍋に水200~300㎖を沸かし、沸騰したらあんこ300gを加えてよくかき混ぜればできあがり。 その後、お好みで白玉などを入れればお店で食べるようなお汁粉に。
あんコーヒーのつくり方
男性でもハマる人
多数の味わい。
- ホットコーヒーブラック
… お好み量(アイスコーヒー可) - あんこ … 大さじ1~2
お好みのブラックコーヒー1杯に、あんこを大さじ1~2を加えて軽くかき混ぜればできあがり。 コーヒーの苦味とあんこの甘味がちょうどよくとけあった、クセになる味わいです。